JAPAN COTTON マークとは?
北海道原液シリーズマスクコレクションのパウチ裏面にあるこちらのマーク、何のマークかご存じでしょうか?これは「ジャパン・コットン・マーク」といい、不織布マスクのコットンに「優れた技術力によって製造された日本製素材を100%使用している」ことを意味しています。

日本国内で製造した素材(原糸・生地)を使用した二次製品、手芸用加工糸ならびに家庭縫製用生地で、国内で製造する原糸を100%使用したものに添付する綿100%用の「ピュア・コットン・マーク」と、綿50%以上用の「コットン・ブレンド・マーク」の2種類のマークがあります。これらのマークがついた商品が国産素材であり、高品質かつ高感性であることを消費者にアピールし、さらなる需要振興を図ることを目的として日本紡績協会が制定しました。
引用・参照:日本紡績協会 http://www.jsa-jp.org/、日本綿業振興会 https://cotton.or.jp/

そもそもコットン(綿)とは?その特性について
アオイ科の植物・ワタの実部分、正確にいうと種子の一部にあたります。実の成熟過程で種子表皮細胞が繊維状に発達し、種子を包んで保護する「種子毛繊維」となります。成熟すると実がはじけ白い綿がモコモコとあふれだします。あふれ出した綿は種子をくるんだまま地面や水面に落ち、発芽するまで種子を保護していると考えられています。観賞用の「コットンボール」としても人気ですが、その様子は白い花が咲いている様に見えるため「綿花」とも呼ばれています。

綿繊維は芯が空洞の中空構造で自然の丸みやねじれがあり、また帯電しにくい性質を持っています。そのため、繊維の特徴としては「吸水性・吸湿性に優れる」「水に強い・濡れると強度が増す」「風合いがやさしい・肌触りが良い」などが知られています。体の中でも特に敏感で繊細な顔の皮膚に適用する美容液マスクには最適な素材といえるでしょう。

日本の綿生産の歴史。そして現在の状況について
綿は平安時代に海外から紹介されたといわれています。その後戦国時代に本格的な栽培が始まり、江戸時代にかけて栽培・生産が全国で盛んになりました。明治時代以降は海外から安い綿花が入りだしたこともあり栽培は衰退を始めますが、国策の後押しもあり綿布は輸出量世界一になった年もあるほど活況でした。しかし、戦後になると綿布も安い海外製に押され生産は減少し、現在は統計上の国内自給率はなんと0%です。

数字上は0%ですが、全国各地の綿織物産地ではそれぞれの特徴を生かした繊維加工技術を継承する動きが出てきており、高い日本品質をアピ―ルする商品開発が続けられています。近年ではその品質の良さが再評価され、ホテルアメニティや冠婚葬祭の贈り物として大人気の地域ブランドがいくつも誕生しているのはご存じのとおりです。
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世界の綿栽培の状況。そしてその問題について
世界に目を向けると、綿花生産のトップ5は①中国、②インド、③アメリカ、④ブラジル、⑤パキスタン となっています(2019年)。上位三か国で全世界合計の過半数を占めますが、全体としてはアメリカ等一部先進国を除くと、アフリカや中央アジアの発展途上国で多く生産されています。
出典・参照:FAO(Food and Agriculture Organization)国際連合食糧農業機関https://www.fao.org/home/en/

海外で生産される綿花は、プランテーションでの大規模栽培や安い労働力に支えられ価格が安い一方で、その安さはニュースにもなっている新疆ウイグル地区での人権問題(綿栽培に少数民族が強制労働させられている)や、インドでの児童労働問題あってのものとも言えます。プランテーションの開発による環境への影響も懸念されています。
※プランテーション:単一作物の栽培を行う大規模農園のこと

これらの問題はSDGsの理念である持続可能性(8,12)や貧困をなくそう(1)という目標に照らし合わせると今後改善していかなければならない課題の一つといえます。生産者の働き甲斐や地域振興、伝統産業保護に目を向けた「JAPAN COTTON」マークがその課題を考えるきっかけになればと考えています。